米三表

 伏見稲荷大社の祭りに、女先生のお供をして行った時、ある一角に私が所属していた支
部名と奉納者の名前を書いた立て札と米三表が飾られていた。
 私が所属している支部名ではあるが、この講員さんは知らない。私が女先生にどなたで
すかと尋ねたところ、経緯を話してくれた。

 ある夏祭りの時、支部では十数人かの講員さんが御膳谷の清明舎に宿泊をして、夜に
瀧受けをする。全員が瀧を受けるのではなく、希望者のみが女先生の指導の元に瀧受け
をする。この時は宵宮なので、山に灯りがつけらる。それで、夜でも瀧行が可能となる。
 支部長先生が瀧行を指導していると、見知らぬ人が訪ねて来て、どうか助けてくださいと
お願いをされる。
 理由が解らないので聞くと、大阪の方で、困ってあちらこちらの霊能者の元に神頼みに
行ったがどうにもならない。
 するとある霊能者の元で御神示が出た。その内容は何月何日、伏見稲荷山で瀧行をし
ている女行者がある。この件を解決出来るのは、その女行者以外には無理である。その
女行者を探して頼めば叶えられるであろう。

 そこで、その何月何日、伏見稲荷山に来て、瀧場で行をしている女行者の方を探した。し
かし、伏見稲荷山には無数の瀧場があり、どの瀧場なのかが解らない。瀧場を訪ね歩い
たが瀧行をされている女行者さんが見あたらない。
 夜も暮れてどうしょうかと思っていたら、この日は伏見稲荷大社の夏祭りの宵宮で、稲荷
山に灯りがついた。それで、夜も必死に探していました。だが、見つからずにもう諦めようと
した時、瀧を受けている人達の祝詞が聞こえて来る。もしやと思って、瀧を目指して来まし
たと言われる。

 その方から話を聞いた女先生は、その霊能者も霊能者だ。どうして自分がその人を救お
うとしないのだ。その何月何日とは伏見稲荷大社の夏祭りの宵宮で、私が伏見稲荷山で
瀧行をすること知るほどなのに、どうして自分のところで引き受けないで、私のところに話
を回して来るのだ。
 そうは言っても、必死の相談者を追い返すわけにも行かず。引き受けました。そして、そ
の依頼の件は神様にお願いして解決しました。するとお礼をと言われるので、あなたを助
けたのは神様であって私ではない。お礼ならば伏見稲荷大社に返してくださいと言ったと
ころ、毎年お米を3表寄進したいということで、それならば貴方のお名前で伏見稲荷大社
に寄進なさいと言ってあるのですと答えられた。

 私はその話を聞いて、神霊界ではどこにどのような霊能者がいる。そうしたことは把握し
ているのだと知ったしだいです。


戻る
戻る