千里眼と二つの人格

 一人の女性を知りました。その女性の周囲に居る人達は、あれは嘘つきだ。嘘ばかり言
って、どうにもならない女性だと言われます。だが、不思議な力を持っていると言われま
す。それは、遠くにある物を見る力です。俗に千里眼と呼ばれるものです。そして、言った
ことも当たると言われます。
 その女性と関わって、最初の頃は嘘つきだと言う意味が解りませんでした。だが、途中で
嘘つきと言われる意味が解って来ました。以前、話をして互いに確認したことを知らないと
言い出すのです。これでは、あれは嘘つきだと言われます。
 そのことで話をしていると、自分には二人の自分が居ると言うのです。一人をAとしましょ
う。もう一人はBとしましょう。Aの自分は、Bの自分が同居していることを知っている。Bの
自分はAの自分が同居していることを知らない。
 AはAである自分でもBである自分でも、約束した内容は知っている。しかし、Bの自分は
Bが約束したことは知っているが、Aが約束したことは知らないと言うのです。だから、Bの
自分が出ている時は、知らないと言うから嘘つきだと言われると言うのです。
 自分には二人の自分が居るので、実親にもこの子は嘘つきだと怒られて、罰だとして自
分だけ兄弟と離された場所で一人で暮らさせられたと言います。

 そうしたことで注意深く観察していると、AとBでは顔が違うと解りました。まったく別の表
情を見せるのです。Aが出ている時は、あまり可愛くはない。Bが出て来ると可愛い顔にな
るのです。Bが出ている時、その女性を見て惚れたと言う男性に、Aが出ている時に見て
見なさいと言うと、同一人物ですか?。信じられないと言います。美しい可愛い顔立ちの時
は神霊が入っているのではないのかと思えるほどです。

 ある時、話をしていると、相談したいことがあって霊能者の元に行くと、何時も貴女は二
度とここに来ないでくださいと断られてしまうのです。どこでも断られる。どうして自分は霊
能者に断られるのだろうと言います。
 それならば、私が知る先生をご紹介しましょうか。でも、今日は居るかなとつぶやくと、そ
の先生は家におられますよと言う。?。そして、女先生が居る場所の風景を言い出したの
です。千里眼の持ち主と聞いていたが、これかと思ったしだいです。
 そこで、私の車に乗せて、女先生のところに走りました。すると、その女性は言います。こ
の女先生、私を見たら戸をピシャリと閉めて二階に逃げるよと言い出します。まさかと思い
ながら、女先生が居る戸口で私ですと告げて女先生が出て来て、その女性を見た途端、お
帰りくださいと戸を閉めて二階上がって行く足音が聞こえます。私はあまりのことに唖然と
しました。すると、この女性。狐が驚いて二階に逃げたと笑い出すのです。

 ある日、私はあまり使用していない二階の西側の和室の襖を開けると、そこに某女優に
似た姫姿の女性が座っているのが見えます。私は唖然として、それを見ていました。次に
この女性と出会った時、突然に言い出します。こないだ、某女優に似た姫姿の私があなた
の家の西側の和室に居たでしょう。あれ、私よ。あなたの家の様子を見に行ったの。
 後日、女先生に出会うと、あなたがこの間だ連れて来た女性。一つの肉体に二人居られ
ますが、別の人格ではありません。二つの顔があると言えばいいのでしょうか。同じ魂で
はあるのです。本当は別々の肉体で出るのですが、天の神罰を受けておられて一つの肉
体に入っておられる。
 この女性、伏見稲荷山に参拝しょうと思っても、絶対に行けないと言います。近くまで行
けても、そこで必ずトラブルが起きて行けないです。
 私がその点を女先生に聞くと、あの方は伏見稲荷山には入れません。神があの方は山
に来られないようにされています。神界も恐れるほどの女性なのです。

 私はその後、何故にこのようになっているのかその経緯を見せていただきました。どうや
ら神代と呼ばれる時代があったようです。元が神と呼ばれる様な存在であったが為に、霊
能者ではその神力に太刀打ちが出来ないのです。背後に荒ぶれた黒龍の軍団がついて
いましたので、どの霊能者も逃げるより道が無いのです。
 天の神罰を受けたまま、輪廻転生の旅。どの時代の人生も悲惨なものだったのです。現
世の生き様も知ったならば、オエットと吐いてしまうほどの生き様なのです。

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